スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2021の投稿を表示しています

腎臓移植という選択

腎不全といえば透析治療。 血液から老廃物をフィルターして尿にしてくれる腎臓が機能しなくなったら、透析という手段で血液をフィルタしてくれる治療。2019年末時点の 透析患者 は 日本では 約34万人 (出典1)おり、 フランスにおいては 約5万人 (出典2)。日本の透析患者の多さからか、病気と縁のない私でも透析治療って生活に制限はあるものの、普通の生活ができる普通の治療という認識でした。 そして、透析治療ではなく 腎臓移植 というもう一つの治療を見てみると、2019年の 日本の実績は 2,057件 (出典3)。 フランスでは 3,641件 (出典2)。初めて移植について調べ始めたときに、フランスの実績を見て少し安心しました。もちろん、日本の移植技術もおそらくフランスに劣るものではないはずですが、この移植件数の差には、献腎に係る法規制の違い、透析ビジネスなども含む様々な背景があるようです。これについてはまたいずれ記事にしたいと思います。 さて、 透析治療と移植手術、患者やその家族にとってどちらが良いのか?! 移植手術なんて今までの人生で考えることもなかった私にとって、その言葉だけで、 かなりリスクの高い非常に難しい手術というイメージ でした。でも、少しずつ情報収集するにつれて、手術自体はそれほど難しいものではないこと(むしろドナーからの臓器摘出の方がリスクが高いらしい💦)、医療の進歩によって腎臓の着床率も生存率も高いこと、そして何より 透析治療の生活と比較して移植手術の方が生活の質がはるかに高い ことがわかりました。 もちろん、 ドナー側のリスク も調べましたよ。 最悪のケースをまず一番に説明する主治医となる素敵な女医さんにも言われたけれど、ドナーからの腎臓摘出後の大量出血の可能性や、本来二つある腎臓が一つになってしまったことから腎不全に陥るケースもあるのだとか。ただ、彼女の過去30年にわたる腎臓移植の経験の中で、摘出後の大量出血で緊急入院したのは1件のみ。それ以外は手術に係る危険な状態に陥ったケースはなかったとのこと。 そういえば、本来二つあるはずの腎臓ですが、過去にあるドナー候補者を検査したところ生まれつき腎臓が1つしかなくて残念ながらドナーになれなかったケースもあったとか。そのあとすぐ私も腎臓のエコグラフィー検査をしたけれど、幸い二つありました、私の腎臓たち。ま

はじめに

多発性嚢胞腎。 漢字から想像できるとおり、腎臓にたくさんのブツブツができる病気。徐々に腎臓が肥大し腎機能が低下する、日本でもフランスでも難病指定の腎疾患です。 大抵は遺伝性で、夫は父親からの遺伝。 11年前、今の夫に出会ったときにこの病気のことは聞かされていて、いずれ透析治療が必要になると言われました。当時私なりに調べたら、病気の進行速度は人それぞれで、一生腎不全にならない人もいれば、60歳をすぎてから透析を始める人もいる、というもの。常に楽観的な私は、食生活に気を付けていればきっと一生問題なく生きていけるという最もラッキーなシナリオを想定し、それほど気にしていませんでした。 今現在、腎機能がほぼ末期の数値であるにも関わらず、奇跡的に日々普通の生活を送っています。もちろん、腎臓に負担を与えるタンパク質の摂取を控え、運動量を増やすために可能な限り森の散策をしたり、日々の生活には気を付けています。 医学上、透析導入前に腎臓移植をする「先行的腎移植」は、透析導入後よりも治療成績が良いとされていて、さらに現在の医療技術では、血液型が異なっても移植が可能ということで、血液型B型の私からO型の彼に腎臓移植が本当に可能かどうか、検査をしてみようと決めたのが昨年(2020年)末。 まだドナーになれるかどうかのすべての検査は終えていないところですが、私なりに収集したフランスでの腎臓移植事情、関連論文などの情報も含め、今後誰かの役に立つこともあるかもしれないと思い、今後の経過など綴っていく予定です。 フランスでも日本でもその他の国でも、すでに夫婦間腎臓移植をされた方、ドナーになった方、現在検討中の方、またはそんな私たちを応援して下さる方、どうかお気軽にコメント下さい。 ↓ランキングに参加しています。 より多くの方に読んで頂けるよう、クリックして頂けると嬉しいです。