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腎臓移植という選択

腎不全といえば透析治療。
血液から老廃物をフィルターして尿にしてくれる腎臓が機能しなくなったら、透析という手段で血液をフィルタしてくれる治療。2019年末時点の透析患者日本では約34万人(出典1)おり、フランスにおいては約5万人(出典2)。日本の透析患者の多さからか、病気と縁のない私でも透析治療って生活に制限はあるものの、普通の生活ができる普通の治療という認識でした。


そして、透析治療ではなく腎臓移植というもう一つの治療を見てみると、2019年の日本の実績は2,057件(出典3)。フランスでは3,641件(出典2)。初めて移植について調べ始めたときに、フランスの実績を見て少し安心しました。もちろん、日本の移植技術もおそらくフランスに劣るものではないはずですが、この移植件数の差には、献腎に係る法規制の違い、透析ビジネスなども含む様々な背景があるようです。これについてはまたいずれ記事にしたいと思います。


さて、透析治療と移植手術、患者やその家族にとってどちらが良いのか?!
移植手術なんて今までの人生で考えることもなかった私にとって、その言葉だけで、かなりリスクの高い非常に難しい手術というイメージでした。でも、少しずつ情報収集するにつれて、手術自体はそれほど難しいものではないこと(むしろドナーからの臓器摘出の方がリスクが高いらしい💦)、医療の進歩によって腎臓の着床率も生存率も高いこと、そして何より透析治療の生活と比較して移植手術の方が生活の質がはるかに高いことがわかりました。


もちろん、ドナー側のリスクも調べましたよ。
最悪のケースをまず一番に説明する主治医となる素敵な女医さんにも言われたけれど、ドナーからの腎臓摘出後の大量出血の可能性や、本来二つある腎臓が一つになってしまったことから腎不全に陥るケースもあるのだとか。ただ、彼女の過去30年にわたる腎臓移植の経験の中で、摘出後の大量出血で緊急入院したのは1件のみ。それ以外は手術に係る危険な状態に陥ったケースはなかったとのこと。


そういえば、本来二つあるはずの腎臓ですが、過去にあるドナー候補者を検査したところ生まれつき腎臓が1つしかなくて残念ながらドナーになれなかったケースもあったとか。そのあとすぐ私も腎臓のエコグラフィー検査をしたけれど、幸い二つありました、私の腎臓たち。まれに、生まれつき3つある強者もいるそうですよ~。人間の体って本当に皆違うんですよね。


一番安心したことは、フランスでドナーになると、その後一生フォローアップを受けられること。最終的に正式にドナー認定されるためには、各種検査ををすべてクリアしたのち、裁判所に呼ばれてドナー審査の面接を受けます。目的は主に臓器売買防止。レシピエントから金銭を受け取っていないか、お前の腎臓よこせ!と脅されていないか、そしてもちろんドナーとしての覚悟、リスクは理解しているかを確認されるそう。精神科医を含む3名の審査員との面接らしく、緊張するだろうなあー。


と、以上のことをなんとなく理解し、思っていたほど大事じゃないのかもと思い、私の腎臓ひとつあげてもいいかもー、と楽観的に検査を進めています。

実はすでに6月末に受けた適合検査はまずは合格したようなので(結果の詳細はまだ先生に会って説明を受けていません)、今週私の腎臓機能検査を受けてきます。24時間の尿採取について報告致します・・・。


これ、我家の猫、ミナ。
ほんの2年半まえに捨て猫センターからもらってきたミナ。
実は、数週間前になんと腎不全で亡くなりました。猫は悪い気を取り除いてくれるらしいので、彼の腎不全を受け取ってしまったのかも、と勝手に信じている私。なぜなら、彼の腎機能数値からは考えられないほど彼自身は元気だから。
ミナ、ありがとうね。ごめんね。ありがとうね。


(出典1)https://www.zjk.or.jp/news/2_5ff7fdd68a195/upload/20210108-154330-3632.pdf
(出典2)https://www.agence-biomedecine.fr/IMG/pdf/rapport_rein_2019_2021-07-15.pdf
(出典3)http://www.asas.or.jp/jst/pdf/factbook/factbook2020.pdf

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