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来春には手術かも

今週は夫の診察があった。 腎臓・透析専門医の Dr.F と電話診察である。 毎回、先生との定期診察は検査結果を見ながら病気の進行具合と今後の予定を話すだけなので、ビデオ診察はできないものかと常に思っていたが、コロナの影響もあり、 今回初めて病院から電話診察が提案された 。 診察日前日に必ず予約リマインドのメッセージが携帯SMSに届くのだけど、ちょっと面白かったのが、通常の診察と同様に、電話診察なのに、 「ワクチンパスポートの提示が求められます」 とのメッセージ。  対面しないのに! 当然、電話でワクチンパスポートを確認されるはずもなく。 公立病院の診察前手続きも全てオンライン化されて、色々と便利になったけれど、まだ準備が現状に追いついていないのかな。いや、もしかして誰にでもわかるミスなので、対面診察と電話診察へのリマインドSMSを分けて作るのが面倒で、わかっているけどそのまま放置しているのかも。 まあそんなことはどうでもいい。 さて、実は今後の予定がいよいよ決まりそうなこの日の診察を、私は首を長くして待っていた。 夫が先月受けた腎臓機能検査の結果は、腎臓機能を測るクレアチニンの数値はさらに上昇していたものの、食生活に気を付けているお陰か、 他には特段問題ない 。 そこで、 Dr.F からの提案。 今の状態で、移植前の腎臓摘出を行えば、2か月ぐらいは透析なしでも過ごせるはず。 まだ大丈夫だからとまた1年待てば、腎臓機能がさらに低下し、腎臓摘出後すぐに透析が必要になると思う。 透析を避けるためにも、元気な状態で腎臓摘出、その2か月後には移植手術という流れが理想的だと思う 、とのこと。 心配していた  主治医からの2回目の電話 にも記録した、 腎臓摘出の際の輸血問題 について先生に尋ねると、 「輸血が必要になる確率はとても低いので、 そんなに気にする問題ではないと思いますよ 。 Dr.O はどんな小さなリスクも可能性として説明するんですよねー、 ワハハ 😄」 という回答だった。まあ以前からこの二人の違いは認識していたが、先生によって患者に与える不安の違いは、どう解釈してよいか戸惑う。でも、 こんな正反対な二人が一緒に同じ患者を診るのは、実は良いことかもしれない 。 さらに Dr.O は、 今の腎機能で腎臓が一つになったら1日でも透析なしでは生きられない 、と言っていたっ

私の甲状腺結節、腎臓移植にはアウト?!【その2】

幸いにも、甲状腺結節のレーザー治療をしているPitié Salpêtrière 病院は現在、夫の通うTenon病院との連携治療をしていることから(腎臓移植も然り)、 Dr.O が私の甲状腺結節の診察をしたPitié Salpêtrière 病院の先生に正式な書面で問い合わせをしてくれた。 そして、何の音沙汰もなく半年が過ぎる。 Dr.O は、病院から私に直接連絡があり、何等かの進展があったものと思っていたらしい。 Dr.O の秘書に別件メールを送った際、甲状腺の件について質問があり、病院からは全く連絡がなく何もしていないと伝えたところ、速攻で Dr.O が動きだした。 Pitié Salpêtrière病院へ Dr.O が直接問い合わせた結果、どうやら、私の甲状腺結節はレーザー治療可能との判定が出ていたらしいが、その後の私への連絡を誰かが怠っていた、ということが判明した。そして今回、腎臓ドナー候補としての私の甲状腺結節をどう扱うか、再度診察・検査をして欲しいと Dr.O が依頼。そのメールが私にもccで送られてきたが、内容が怒り心頭で、まさに 「この患者の甲状腺結節をさっさとなんとかしろ!💢」 という文面だった。 先生素敵💝 しかし そのメールの翌日、Pitié Salpêtrière病院の医師にはまかせられないと思ったのか、Tenon病院内の Dr.O の友人でもある甲状腺専門医にお願いして、 院内で問題を解決しようと思うけれど、如何か? との問い合わせ電話が。私としては、 Dr.O に任せた方が全てが早く進むので、それで同意。5分後には甲状腺検査の予約確定メールが届く。 するとその直後に今度はようやくPitié Salpêtrière病院からの電話が鳴った。 予約はいつにしますかああ? というので、事情を説明してTenon病院に予約済みの件を伝えると、 Pas de problème!    今まで誰も私の甲状腺結節に興味がなかったのに、急に二つの病院から うちにおいでー 💗と言われた気がして、 臓器移植ドナーってすごいのね 、と思った。実際は Dr.O の熱意のお陰だけど。 さて、そんなこんなで、また空白期間が長かったけれど、Tenon病院で甲状腺のエコーと組織検査を受ける。もちろん、 結果は以前と同じくガンの可能性は低い 。その後、その結果と以前の全て

私の甲状腺結節、腎臓移植にはアウト?!【その1】

さてその後、甲状腺結節のレーザー治療を目指して Pitié Salpêtrière  病院への予約までなんとかたどり着き、医師の指示どおり2回の組織検査を実施。その結果に基づいて、院内の甲状腺チームでレーザー治療の可能性について検討会議にかけるので、その結果を報告します。と言われて待つこと半年、1年、・・・そしてコロナ危機へ突入😰。 病院からの連絡がないので、私の方から問い合わせても良かったはずだけど、時間の経過とともに、今度は レーザー治療の必要があるのだろうか? という思いが芽生えはじめ、病院からの連絡がないってことは、どんな理由であれそれはそれで治療の必要がないっていうサインなのかもしれない、と 勝手なスピリチュアル解釈 さえし始めた私。 この治療を受ける多くの人は、大きくなった結節が美容的に邪魔になるから、要するに 首の腫れが目立つのが嫌だから 、である。 私はといえば、美容的な面は実はそんなに気にしていない。時々指摘されることはあるけれど、甲状腺結節の話をして終わりである。 Pitié Salpêtrière 病院では実は、甲状腺シンチグラフィーという検査までして私の甲状腺に異常がないことを確認していて、その時の先生にも、大きさが気にならないのであれば、毎年の定期検査だけで大丈夫、と言われたのだ。 ということで、 レーザー治療に対する私の情熱は冷め、さらにコロナ危機によって完全に消え去ってしまったのである 。 あんなに必死だった自分がウソのよう。 しかし! それもつかの間、2020年12月に腎臓移植のドナーに関する初めての診察へ訪れたとき、私の病歴について確認した後に、あの声がかわいい Dr.O が私の甲状腺結節について眉を寄せて、こう言った。 「ドナーになるには、まずは甲状腺結節の問題を解決する必要がある。手術した方がいい。」 えーーーーー、手術の話再燃?!   なんで、なんで?! 私の甲状腺に問題ないって結果が出てるじゃない! 「ドナーは、全ての悪性ガンの可能性を排除しなければいけません。ガンの可能性をゼロにするために甲状腺摘出は避けられない。」と Dr.O 。 😐😐😐 いつかどこかで聞いたフレーズ・・・ あれは甲状腺切除が大好きな美しい甲状腺外科医だった。でも、今回はドナーとしての条件ということであれば、話は別だ。先生のいうことを聞いておいた

セカンド・サードオピニオンのすゝめ 【その2】

彼女が出会った手術をしない新しい技術とは、 レーザー治療で大きくなった結節だけをターゲットに縮小させる というものだった。 当時まだフランスでは新しい技術で、保険の適用もなかったため、パリのプライベート病院であるアメリカン・ホスピタルで 3,000€😱 でその治療を受けたそう。切開の必要がないため、日帰り入院。その結果、毎年数ミリずつ成長していた結節が、4か月後には40%も縮小したとのこと。統計によれば、この治療では、 1年後に最大90%まで結節が縮小 されるらしい。 調べると、 今では国内数か所の病院でこの治療を行っており、保険も適用される❕❕ このレーザー治療で本当に結節だけが小さくなり、甲状腺への影響はないのかどうか調べてみたら、どうやらアメリカでは以前からこの技術で甲状腺結節の治療が行われており、結節の縮小率について論文がけっこうある。見つけたいずれの論文でも、この レーザー治療は有効との結論 だった。 それら論文を読む中で、一つ素晴らしい発見があった。それまで甲状腺ごと切除していた結節について、摘出後の組織検査では9割程度が良性であったという統計。悪性かもしれないという可能性を排除するために多くの甲状腺が切除されてきたが、結果的に 切除する必要がなかったケースがほとんどだった 、というのだ。そうした背景から、近年では甲状腺切除はしない方向にあるようだ。 ある記事では、死体解剖をすると甲状腺に結節ができているケースはかなり多いとの記述もあった。大きくならなければ、結節に気づかずに一生を終える人が多いということだ。 やっぱり、甲状腺結節を病気と認識する必要はない?! (結節によっては、ホルモンを分泌するものあり、これはホット・ノジュールと呼ばれ、こうなるとまた話は別。私の場合は、ホルモン分泌ゼロのコールド・ノジュールなので、それを前提にこの記事を書いています。念のため。) なんだか、いろんなことが繋がってきた。 ということで、 そのレーザー治療、もちろん受けたい! パリでは13区にあるPitié Salpêtriére病院でこの治療を行っていることが分かった。予約方法はメールか電話か直接受け付けへ。メールを送ったが、待てども待てども返事が来ない😪。電話してみたけれど、何時電話しても誰も出ない😰(これ、残念ながらよくある)。大きな病院だし、直接受付けへ行っ

セカンド、サードオピニオンのすゝめ 【その1】

 先日、また病院から一通の手紙が私宛に届いた。 今度はなんだろう? と封を開けてみたら、 ああ、そうだった。 私の甲状腺問題 。 あれは忘れもしない2018年3月のある日。 いつものように顔に化粧水をパシャパシャしながら鏡を覗くと、ふと 首の左側だけ大きく膨らんでいる のが目についた。驚いて、手で触れてみると、平べったい右側と比較してまさに腫れている。 どうして今まで気づかなかったのだろう? と思うほどの大きさ。 まず頭に浮かんだのが、ガン?? 甲状腺ガン??? 怖くなって、ネット検索すると、やはり ガンの可能性は否めない 。 その後すぐにかかりつけ医の予約、血液検査、甲状腺のエコグラフィーと組織検査までして、すぐに予約可能な甲状腺専門医をみつけて予約。この間、2週間たらず(フランスでは早い部類)。 この甲状腺専門医。あとから気づいたけれど、 甲状腺 外科医 だった 。すぐに手術をしたいはずである。会ってすぐに言われたのは、 両方の甲状腺を切除する必要がある 、と 。美しい女医さんで、甲状腺の教材を使ってとても分かりやすく説明してくれるし、なんだか信頼できそう・・・と思ったのもつかの間。 「フランスでは甲状腺なしで生きている女性はたくさんいるし、切除後はホルモン剤を毎日飲めば特に問題ないのよ。」 「さて、いつ手術しましょうかあ」 と予定表を取り出した。 だいぶ狼狽えてしまった私だったが、とりあえず今すぐ予定は立てられないので、緊急性を要する手術でないのであれば、次回また相談させて下さい、と言って診察室を後にした。 彼女の説明はこうである。 私の甲状腺が大きくなっているのは「 甲状腺結節 」という、言ってみれば良性腫瘍。いや、検査結果で悪性ではないと出ているけれど、摘出してみないことには悪性の可能性が拭えない。なので、念のため切除したほうが良い。 結節があるのは左側だけなのになぜ両方切除か?  それは、片方だけ切除すると残った甲状腺が以前の2倍働くことになり、その結果として機能が低下→結局摘出することになるので、2回の手術を避けるために最初から両方切除した方が良い。 ゆっくり丁寧に説明してくれる美しい女医さんにこんな風に言われると、ああそうなのねー、と納得してしまった私だったけれど、 甲状腺の機能自体には何の問題もないのに 、その甲状腺を全て切除してしまって、その後

腎臓を小さくする方法があった

多発性嚢胞腎患者は、透析治療を開始してもなお嚢胞が発達し腎臓がますます大きくなるらしい。そうすると当然それに伴う痛みや日常生活への支障が深刻になってくる。この嚢胞が発達するということは、嚢胞に栄養を与える血管も発達している。医師はここに注目し、血管を塞ぎ、 嚢胞への血液循環を遮断することで嚢胞の成長をストップ させるという技術を確立した。 動脈塞栓術 という。 70年代に初めてこの有効性が Wallaceら によって報告されから、各地でその有効性の報告があった。日本で、この療法を多発性嚢胞腎患者に対する治療法として確立させたのは、 乳原 善文(うばら よしふみ)先生 。 仏語や英語の関連文献にはたいていUbara et al の文献が引用されている。 その後、この療法が腎移植目的のために適応された例はすでに多く、これまた英語、仏語、日本語でたくさんの情報が出てきた。 米国泌尿器科学会( The American Society of Nephorology )学会誌に2016年に掲載された鵜原医師を含む日本人医師らによる論文では、虎ノ門病院において2006年1月から2013年7月の期間、腎動脈塞栓術を受けた多発性嚢胞腎患者449例を対象とした研究結果が報告されている。 (以下、原文) Suitability of Patients with Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease for Renal Transcatheter Arterial Embolization 色々ざっくり読んだ上での私の結論は、この療法は移植に備える方法として ①一番低侵襲(体への負担が少ない)であり、何よりも②輸血のリスクが最も低い。 一方、デメリットは ①腎臓縮小まで6か月待つ必要があること、②この療法で腎機能自体が低下する可能性もあること(透析治療が前提) の2点。後者についてはまだよく理解できていないが、腎摘出のケースでも透析治療開始が必要なことを踏まえれば、その辺のリスクは同じかもしれない。 いずれにしても、 「輸血リスク」 だけを考えれば、この療法は夫に適応可能かどうか確認する価値は多いにあり。夫自身もこの方法にかなりの期待を抱いている。 以下、フランス国内の文献から、有用と思われる研究を1点記録しておきます。 ☆☆☆☆☆☆

お腹を切らずに腎臓摘出できるのか

医学の進歩により、手術方法もだいぶ進化している。 お腹を切ると、術後の傷が体に残り、その傷はけっこうな大きさだったりしますよね。 しかも、「切る」😱ので出血多量や合併症のリスクも大きい。 手術リスクを最小限にするため、 昨今の手術は体に数か所小さな穴を開けるのみ! その穴から筒状の器具を挿入し、それぞれにカメラや遠隔操作できる各種手術器具を装着。先生は モニターを見ながら これらの器具を操作して必要な切除作業や臓器の 摘出作業 などを行います。 この手法を 腹腔鏡下手術 と呼ぶらしいけれど、これだと開腹手術と比較して傷も痛みも小さいため、入院期間が短縮されるというメリットが。 考えれば考えるほど、 すごい技術の進歩‼‼‼ 以前の記事 主治医からの2回目の電話 に記載したとおり、すでに通常の2倍になっている夫の腎臓を移植前に摘出する必要が生じ、移植前の患者には脅威となる輸血のリスクが伴うことが Dr.O から指摘されました。 その後、輸血を避けるための方法はないのかと色々調べていましたが、見つけた結果の一つはまさにこの腹腔鏡下術を使った腎摘出。すでにこの手法で腎臓がんの治療などが行われているようですが、夫の病気である多発性嚢胞腎患者の腎臓もこの手法で摘出可能なのかどうか。可能であれば、この方法で輸血リスクを回避できるのではないか?!という 希望の光 を探っていました 。 今更だけど、インターネットって本当に便利。 まあ出てくる色んな情報。 ざっくりした調査の結果、理解できたことは、 腹腔鏡下腎摘出は可能 。むしろ推奨される手法であるが、医師の高い技術レベル(経験)が必要とされること。腎臓の大きさ次第では、腎臓を取り出すのに 結局お腹を少し切る必要がある こと。合併症発生率は開腹と比較して低い。輸血のリスクは開腹手術よりもリスクは低下するものの、腎臓のサイズを考えると、夫のケースだと 実はリスクはあまり変わらない気がする😕 。 彼の腎臓サイズを改めて確認してみようと思う。 もう一つの 希望の光 、腎臓を摘出せず大きくなった 腎臓を小さくする手法 も見つけたので、次の記事に記載します。 以下、有用そうな論文を調査記録として以下に記載しておきます。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 2013年5月にフラン

ピチピチな腎臓・・・か?

 以前読んだ 小説「パラサイト・イヴ」(著者:瀬名秀明) で、人間を支配しようと企む意思を持ったミトコンドリアが、腎臓だったか肝臓だったか、登場人物の ある臓器の新鮮さとその美しさを異常に褒めたたえる描写 があった。もうその本が手元にないので、どんな風に記述されていたか紹介できないけれど、ピンク色でピチピチとした活きの良い魚のように臓器のことを語る、その色っぽい描写がやけに印象に残っている。そして、私の臓器も、そんな風にピチピチしているのかしら?なんてお腹のあたりを摩ってみたりした。 この小説のことを思い出したのは、腎臓機能検査の詳細な検査結果が届いたとき。 すでに、 Dr.O から電話で私の腎臓機能は Très très bien と言われたけれど、実際に検査結果を見たら、たくさんある検査項目の数値全てが正常値内に収まっており、それを見たときまさに、自分の体内に ピンク色でピチピチの腎臓💖 を想像してしまったのでした。実際、腎臓がピンク色をしているかどうかはわからないけれど。 旅行から戻った私に届いていた Dr.O からの封書には、この腎臓検査の結果が一緒に入っており、これがかなりの枚数に渡るため、封筒が分厚くなっていたのでした。( 前の記事 からのつづき) 肝心の専門医への紹介状は、皮膚科なども含む全ての専門医へ行く必要があるかと想像していたら(夫側の検査がそうだったので)、主に循環器系と婦人科系の検査。思っていたよりも予約取りが楽そうだけど、それでも検査内容が24時間心電図とか、面倒そうなものもある。 全ての検査結果は6か月のみ有効なので、 Dr.O にすぐに検査しないように言われたけれど、乳がん検診と子宮がん検診だけはそれぞれ2年、3年間有効なので、これはすぐにしても大丈夫よとのこと。できることはさっさとしておこうと思い、すぐに検査予約を入れました。 なんとなく更年期障害?と思われる症状も時々あるし、腎臓のように、私の子宮はピチピチよ!という結果にはならないだろうなあ。まあ腎臓移植に係るこれら全ての検査は、がん細胞の有無を確認することなので、臓器がそんなにピチピチじゃなくてもOK。というか、年齢を経ても臓器のピチピチを保つのってきっと不可能😕 実際に腎臓移植ができた暁には、ぜひ移植前の私の腎臓を見てみたいものです。そして、執刀医に、 ピンク色したピチピ

フランスでタンパク質制限の旅は辛い

 夏はB&B経営で忙しい私たちですが、バカンスシーズンを無事終え、病院予約もないこのタイミングでやっと1週間の休暇に出てきました。 私たちの休暇はいつも 登山/ハイキング! Belvédère de la Roche de Hautepierre 以前から行きたかったアルプス山脈手前のジュラ地方へ、実はB&Bのお客様から教えてもらったお勧めコース、峡谷コースや滝が連なるコースなど、満喫してきました。我家も大自然の中ですが、ジュラ地方はより標高が高いため、景色がより雄大で、岩肌が白く、そして背中がムズムズする断崖絶壁が多い! Cascades du Hérisson Vallée de la Loue 以前は1日中歩いたものですが、さすがに現在の夫には1日10キロぐらいが限界(しかもジュラは傾斜が激しい)。私自身は数時間歩くとアドレナリンが分泌されるのか、 いつまでもどこまでも、どんな急斜面でも歩きたい気分に なってしまうことがあり、その状態に入っているときに「はい、今日はここまで」と打ち切られるのは実は非常に辛い😭  お家に帰ったらまた一人で歩こうー🏃 と思いながらアドレナリン処理。 さて、旅行で若干面倒なのは、低タンパクの食生活。 タンパク質って、お肉とかチーズとか・・・フランスといえば肉とチーズなんですが、この各地の美味しいお肉料理とチーズが食べられない。ジュラ地方の 鶏肉の 黄ワイン煮込 とか、非常-に食べたかったんだけど、どこのレストランもベジタリアンのメニューがない。 1週間に1度は休憩して、お肉食べてもいいんだよ、と先生に言われているらしいので、時々がっつり食べてしまうことはあるんですけどね。ちなみに 赤肉の蛋白質は一番腎臓に負担を与える ので、食べるなら鶏肉か白身魚の方が良い、と言われています。 ということで、宿泊先は必然的にGîte(ジット)という一軒家を丸ごと借りるスタイルにして、自分たちで料理。 行きたい場所の都合で最初の2泊だけホテルでしたが、ホテルのレストランがこれまたガッツリ肉肉しいメニューばかり。お魚とカモ肉を半分ずつして食べたけれど、2日目はもうここじゃあ無理。周辺のレストランも似たようなものばかり。ということで、準備していたキャンプセット登場。景色の良いところに車を停めて、鈴をカランカラン鳴らす牛を眺めながらパスタ

主治医からの2回目の電話

  声がかわいいDr.O が気づいてしまったこと。 ( 主治医からの電話 のつづき) 実は、 はじめに に記載したとおり、多発性嚢胞腎という病気は徐々に腎臓が大きくなることも特徴で、現在の夫の腎臓はすでに通常サイズの2倍程。通常の2倍って、腎臓移植するためにはかなり 「邪魔」になるサイズ らしく、移植前に腎臓の一つを取り除く必要がある、という説明は昨年受けていました。 この腎臓摘出手術の際に、万が一大量出血が起こってしまった場合、輸血が必要となります。そうです、 問題はこの輸血 。 Dr.O が気づいてしまったことです。 夫婦間腎臓移植が可能かどうかのクロスマッチテストという血液検査はすでに受けており、これは簡単にいうと、私の腎臓が彼に移植された場合、私の腎臓を「異物」として攻撃する抗体が彼にあるかないか、あっても数は多すぎないか、を確認するテスト。結果は、具体的な数値はその後まだ説明されていないものの、私に対する夫の抗体が基準値よりも少ないという結果で、 移植Go サインが出たのでした。 もしも腎臓摘出手術で輸血が必要となった場合、その輸血した血液を「異物」認識して彼の免疫システムが抗体を産生する可能性があります。 そうすると、輸血後の彼の体内には新しい抗体が存在し、私の腎臓を以前よりも強く攻撃する可能性があり得る、ということ。一度はクロスマッチテストに合格したけれど、輸血後のクロスマッチテストでは不合格数値が出る可能性が十分にある。 しかも、輸血後に産生された抗体が落ち着いて正しい検査数値を得るには、2か月待つ必要があるそう。そして、腎臓摘出後、移植手術できるのは3か月を過ぎてから。腎臓摘出手術をどのタイミングで行うかどうかは、夫が定期的に会っている泌尿器科医Dr.Fとも相談する必要があるので、次の予約時(11月)に話し合うことに。 Dr.O からの私への伝言は、専門医への紹介状を郵送するけれど、これらの検査結果の有効期限は6か月間しかないので、すぐに予約せず、夫の腎臓摘出手術後に予約を入れた方が良いとのこと。 6か月を過ぎた検査結果は移植審査委員会が受け付けない らしい。 ああ、なんだかまたゴールが遠のいた😧 先週の夫の腎臓機能数値は今も 「末期の範囲で安定中」 なのが幸い。 ところで、夫の腎臓を一つ摘出後、腎臓移植をするまでの数か月間、 末期腎不全の腎臓片

主治医からの電話

腎臓機能検査をしたのが9月2日。 結果はいつ来るかなーと思っていたら、昨日(9月8日)電話が鳴った。 移植手術に係る担当医、 声がかわいい女医先生 Dr. O (頭文字をとってドクター・オーとします)。 この先生、何かというとすぐに電話をくれます。最初は、大病院の先生が直接患者に電話をしてくれるなんて!と感動していましたが、もしかして移植手術に関する連絡履歴を何等かの理由でメールで残さないようにしているのかも?! と海外で培われてしまったこの懐疑心😐 でも、声が甲高くかわいい非常にテキパキ仕事をする素敵な女性なので、私は好きです。 その先生から、「たった今腎臓検査の結果を受け取りましたよ」との連絡。 結果は、全く問題なし。私の腎臓機能は  " Très très bien " (トレビアン)だそうです 😎 まあ、カティーさんに「こんなに出たの?」と驚かれるほどですからね😅 まずは順調。感謝。 そして、次のステップ。 Dr.O が専門医への紹介状を郵送してくれるので、皮膚科や耳鼻科、循環器科などを含むおそらく考えうる全ての専門医の診察。これは、私が自分で近くの専門医を探して予約・診察。結果が Dr.O へ送られる、というもの。 フランスでの専門医予約は、時間がかかりそう。 その診察をすべて終えて、結果に問題ないようであれば、今度は Dr.O の手配で、麻酔科、それから精神科医で夫婦二人での診察が待っているそう。 まだ道のりは長い。 今日か明日にでも紹介状を発送するわね、という Dr.O と電話を終え、庭で今週月曜日に届いた冬用の薪積み作業を開始。毎年恒例のこの作業、ほぼスポーツ。 体育会系の私には、実はそれほど苦にならないのが幸い💪💪💪 汗だくになっていると、急に仕事中のはずの夫が現れ、 「 Dr.O から今度は僕に電話がきた」 。 何かと思ったら、どうやら Dr.O 、とても重要なことに気が付いたらしい😬 「Dr.O は先のことも全て考えるのよ♪」 とかわいい声で言ったらしいけれど、 それに今気づいたの?! 移植専門なのに、それに今気づく?!?! 話が長くなりそうなので、次回に続きます。 今日の写真は自家製 トラディション (天然酵母で作るバゲット)。 体にやさしい食生活のために、 長時間発酵でGI(グリセミック指数)が低くなる 天

腎臓機能入院検査

さて、予約時間の8時ちょっと前に病院到着。 ( 24時間の蓄尿体験 のつづき) 腎臓機能検査だけをする部門なので、小さな待合室には私より先に来ていたおじさん一人。少し話をすると、当然同じ検査のため来院。ベットは4つのみの本当に小さな検査部門。でも常に予約の患者さんが直接来たり電話がひっきりなしに鳴っていて、二人の看護師さんのテキパキぶりがすごい。 しかしこの病棟、古い 😱 パリ19区にあるTenon病院。夫の病気である複合嚢胞腎という病気の研究においてフランスでトップのお医者さんがここにいたので(昨年定年退職されました)、夫はもう10年以上ここにお世話になっています。病棟によっては新築されたモダンな建物もあるけれど、この古ーい病棟は初めて来ました。子供の頃に連れていかれた田舎の病院を思い出す。 ベット脇には扇風機と小さな電気ヒーターが置いてあったので、おそらく冷暖房設備はない、というか絶対にない。寒くも暑くもない日の予約で良かった。でも、医療従事者の皆さん、本当にご苦労様です。 さて、前日に採取した重ーい24時間の蓄尿ボトルを看護師さんに渡すと、すぐにまた「尿採取」から開始。その後ベットで待たされること30分。この日は緊急検査の患者さんもいたりして、普段より忙しかった様子。 ようやく私のベットに現れた看護師さんは、カティーさん。夫から、ちょっと年配で金髪のカティーさんって看護師さんは親切だよ、と聞いていたので、思わず 「夫からカティーさんのこと聞いています」 と言ったら、嬉しそうにニッコリ。おそらく来年あたり定年であろうベテラン看護師さんは、注射も痛くない😇。 カティーさんは私の腕にカテーテルを入れて、腎臓マーカーと呼ばれる液体を注入。その後45分おきに尿採取と血液採取。採取した尿と血液に腎臓マーカーがどれぐらい含まれているかを測り、腎臓の老廃物フィルター機能を検査するもの。これを4時間行うので、尿・血液採取が計5回ほど。 ベットで横になって待つだけなので、本を持参した方がいいよと夫に言われ、2冊ほどもってきたけれど、45分おきの採取って意外と早い。せっかく読書が面白くなってきたところに「マダム・ハンセン! 尿採ってきて! 」と叫ばれるので、 「え!もう?!」 と反応してしまう。 というか、この尿・血液採取の他にも、研修医の男の子がやってきて心電図をとったり、健

24時間の蓄尿体験

日帰り入院での腎臓機能の検査は夫が1年に1回ほど受けていて、毎回、検査前日の24時間分の尿採取が大変そうだなあーと思っていました。 それを、今回は私がドナーとして初めて経験することに。 事前に3リットルボトルを予約時にもらっています。 このボトルの写真をアップしようかと思いましたが、やっぱり遠慮します。 記述するとレンガ色の四角い形のボトルで、蓋は黄色。 もう少し面白くデザインしてくれたら蓄尿も楽しいのもになるのに(?)。まあそんなところに余計なお金は使ってられないか。 さて、朝7時から開始の24時間蓄尿。一日外出せずに自宅で蓄尿に専念しよう!と思っていたのですが、夫が急に最近家を購入した同僚がパリ近郊にいることを思い出し、せっかくだからパリにいるこの機会に引っ越し祝いがてら訪問しよう、ということになり・・・。 え!蓄尿持参?? だよね?! 幸い車で行くので自分の尿を背負って電車に乗って・・・というのは避けられたけれど、それにしても引っ越し祝いに自分の尿をもっていくのも申し訳ないなあー、と思っていたら、事情を知っている同僚にすでに夫から「クミコの尿はすべて持って帰るから!」と伝えてあったらしい。うう😓 まあ私もすでに何度か会っている人だし、しかもアメリカ人なので(偏見)、気にしない気にしない。 お宅訪問中、リノベーションはこうした方がいい、ああした方がいい、と夫の得意分野でもあるためにたくさんのアドバイスを求められ、同僚家族の悩みなど(悩みが尽きないアメリカンなんです)一通り話を聞いていたらアッという間に夕食の時間。 帰りは同じく郊外のショッピングセンターに立ち寄り、花柄のショッピングバックに隠された尿持参でセンター内をウロウロ。さすがにレストランに入る前は車に一度3リットルボトルを置きに行きましたわ。この頃にはもうだいぶ重い! パリの自宅に帰り着いたのが22時ちょっと前。それほど遠くへ行ったわけではないのに、パリの渋滞はいつもホント嫌になります😵 翌朝6時半を最後に、24時間蓄尿無事終了。 その後、やっぱり花柄のショッピングバックに重くなったボトルを隠して、バスに揺られること10分、病院へ到着したのでした。 ちなみに、3リットルボトルはほぼ満杯でございました。 → 腎臓機能入院検査 へ続きます 何の脈絡もありませんが、今日の写真は牛のミルクポット。ブルゴーニュ

腎臓移植という選択

腎不全といえば透析治療。 血液から老廃物をフィルターして尿にしてくれる腎臓が機能しなくなったら、透析という手段で血液をフィルタしてくれる治療。2019年末時点の 透析患者 は 日本では 約34万人 (出典1)おり、 フランスにおいては 約5万人 (出典2)。日本の透析患者の多さからか、病気と縁のない私でも透析治療って生活に制限はあるものの、普通の生活ができる普通の治療という認識でした。 そして、透析治療ではなく 腎臓移植 というもう一つの治療を見てみると、2019年の 日本の実績は 2,057件 (出典3)。 フランスでは 3,641件 (出典2)。初めて移植について調べ始めたときに、フランスの実績を見て少し安心しました。もちろん、日本の移植技術もおそらくフランスに劣るものではないはずですが、この移植件数の差には、献腎に係る法規制の違い、透析ビジネスなども含む様々な背景があるようです。これについてはまたいずれ記事にしたいと思います。 さて、 透析治療と移植手術、患者やその家族にとってどちらが良いのか?! 移植手術なんて今までの人生で考えることもなかった私にとって、その言葉だけで、 かなりリスクの高い非常に難しい手術というイメージ でした。でも、少しずつ情報収集するにつれて、手術自体はそれほど難しいものではないこと(むしろドナーからの臓器摘出の方がリスクが高いらしい💦)、医療の進歩によって腎臓の着床率も生存率も高いこと、そして何より 透析治療の生活と比較して移植手術の方が生活の質がはるかに高い ことがわかりました。 もちろん、 ドナー側のリスク も調べましたよ。 最悪のケースをまず一番に説明する主治医となる素敵な女医さんにも言われたけれど、ドナーからの腎臓摘出後の大量出血の可能性や、本来二つある腎臓が一つになってしまったことから腎不全に陥るケースもあるのだとか。ただ、彼女の過去30年にわたる腎臓移植の経験の中で、摘出後の大量出血で緊急入院したのは1件のみ。それ以外は手術に係る危険な状態に陥ったケースはなかったとのこと。 そういえば、本来二つあるはずの腎臓ですが、過去にあるドナー候補者を検査したところ生まれつき腎臓が1つしかなくて残念ながらドナーになれなかったケースもあったとか。そのあとすぐ私も腎臓のエコグラフィー検査をしたけれど、幸い二つありました、私の腎臓たち。ま

はじめに

多発性嚢胞腎。 漢字から想像できるとおり、腎臓にたくさんのブツブツができる病気。徐々に腎臓が肥大し腎機能が低下する、日本でもフランスでも難病指定の腎疾患です。 大抵は遺伝性で、夫は父親からの遺伝。 11年前、今の夫に出会ったときにこの病気のことは聞かされていて、いずれ透析治療が必要になると言われました。当時私なりに調べたら、病気の進行速度は人それぞれで、一生腎不全にならない人もいれば、60歳をすぎてから透析を始める人もいる、というもの。常に楽観的な私は、食生活に気を付けていればきっと一生問題なく生きていけるという最もラッキーなシナリオを想定し、それほど気にしていませんでした。 今現在、腎機能がほぼ末期の数値であるにも関わらず、奇跡的に日々普通の生活を送っています。もちろん、腎臓に負担を与えるタンパク質の摂取を控え、運動量を増やすために可能な限り森の散策をしたり、日々の生活には気を付けています。 医学上、透析導入前に腎臓移植をする「先行的腎移植」は、透析導入後よりも治療成績が良いとされていて、さらに現在の医療技術では、血液型が異なっても移植が可能ということで、血液型B型の私からO型の彼に腎臓移植が本当に可能かどうか、検査をしてみようと決めたのが昨年(2020年)末。 まだドナーになれるかどうかのすべての検査は終えていないところですが、私なりに収集したフランスでの腎臓移植事情、関連論文などの情報も含め、今後誰かの役に立つこともあるかもしれないと思い、今後の経過など綴っていく予定です。 フランスでも日本でもその他の国でも、すでに夫婦間腎臓移植をされた方、ドナーになった方、現在検討中の方、またはそんな私たちを応援して下さる方、どうかお気軽にコメント下さい。 ↓ランキングに参加しています。 より多くの方に読んで頂けるよう、クリックして頂けると嬉しいです。