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セカンド・サードオピニオンのすゝめ 【その2】

彼女が出会った手術をしない新しい技術とは、レーザー治療で大きくなった結節だけをターゲットに縮小させるというものだった。

当時まだフランスでは新しい技術で、保険の適用もなかったため、パリのプライベート病院であるアメリカン・ホスピタルで3,000€😱でその治療を受けたそう。切開の必要がないため、日帰り入院。その結果、毎年数ミリずつ成長していた結節が、4か月後には40%も縮小したとのこと。統計によれば、この治療では、1年後に最大90%まで結節が縮小されるらしい。


調べると、今では国内数か所の病院でこの治療を行っており、保険も適用される❕❕


このレーザー治療で本当に結節だけが小さくなり、甲状腺への影響はないのかどうか調べてみたら、どうやらアメリカでは以前からこの技術で甲状腺結節の治療が行われており、結節の縮小率について論文がけっこうある。見つけたいずれの論文でも、このレーザー治療は有効との結論だった。


それら論文を読む中で、一つ素晴らしい発見があった。それまで甲状腺ごと切除していた結節について、摘出後の組織検査では9割程度が良性であったという統計。悪性かもしれないという可能性を排除するために多くの甲状腺が切除されてきたが、結果的に切除する必要がなかったケースがほとんどだった、というのだ。そうした背景から、近年では甲状腺切除はしない方向にあるようだ。


ある記事では、死体解剖をすると甲状腺に結節ができているケースはかなり多いとの記述もあった。大きくならなければ、結節に気づかずに一生を終える人が多いということだ。やっぱり、甲状腺結節を病気と認識する必要はない?!

(結節によっては、ホルモンを分泌するものあり、これはホット・ノジュールと呼ばれ、こうなるとまた話は別。私の場合は、ホルモン分泌ゼロのコールド・ノジュールなので、それを前提にこの記事を書いています。念のため。)

なんだか、いろんなことが繋がってきた。


ということで、そのレーザー治療、もちろん受けたい!
パリでは13区にあるPitié Salpêtriére病院でこの治療を行っていることが分かった。予約方法はメールか電話か直接受け付けへ。メールを送ったが、待てども待てども返事が来ない😪。電話してみたけれど、何時電話しても誰も出ない😰(これ、残念ながらよくある)。大きな病院だし、直接受付けへ行った方が確実そうだ。


夫が通うTenon病院の方が先生によってはネットで予約が取りやすかったので、次にパリへ行くまでの間、とりあえずセカンドオピニオンとして、甲状腺も専門にしている耳鼻咽喉科の先生に予約を入れてみた。

さて、それがセカンド・オピニオンとなる


診察室に現れたのは、ショートヘアが似合う私が好きなタイプのさっぱりしたお姉さん。30歳になるかならないかぐらい。若すぎて、若干不安になったけれど、若い人ほど私の名前で日本人だとすぐに気づく(パリに限る)。そして、いつか日本へ行きたいのよー、から会話が始まるパターンで、和やかに診察が始まった。

彼女の結論はこうだ。

「甲状腺結節は、以前は甲状腺全摘出が主流だったけれど、最近ではすぐには切除しないことになっている。結節が声帯に触れたり、痛みもなく日常生活に支障がないのであれば(かつ、腫れた首の見た目が気にならないのであれば)、年1回のエコグラフィーで定期検査のみで良い。もし、結節がさらに大きくなって、いよいよ邪魔になってきたら、その時は結節のある左側の甲状腺のみ切除しましょう。甲状腺は一つだけでも十分機能するので、ホルモン剤投与の必要もないし、その後一生一つの甲状腺で問題ないはずです。


おお、最初の先生に言われたことと全く違う。彼女の方が新しい甲状腺治療情報を持ち合わせている。若いから不安になる必要はなく、若いからこそ進歩した医学を学んできているんだ!若い先生も悪くない。

しかし! 彼女にレーザー治療のことを質問してみたら、これに関しては全く知識がなかった。情報が最近すぎたか? いや、いつも思うのは、フランスって病院間、医師間のコミュニケーションがなさそう。パリの先生にディジョンの甲状腺専門医教えてほしいと言っても絶対に知らない。ディジョンの大学病院はいいぞ、ぐらい。日本だとたいてい知っている先生がいて紹介状書いてくれたりするのに。学会に積極的に参加していないのでは?? 学会で人脈形成とかないのか? ということは、学会に参加してちゃんと最新の研究結果を知識として取り入れて診察・治療に応用する先生って、実はそれほどいないのではないか???と思わせられる。いや、そんな単純なことじゃないのかな。医者の世界はわからないので、この辺の事情、知っている人がいたら、ぜひ教えて欲しい。


ということで、レーザー治療についてはPitié Salpêtrière病院へ予約を入れるのでよしとして、この若い先生との診察は、セカンド・オピニオンとしては実りあるものとなりました。最初の先生のいうことを聞いて、両方の甲状腺を切除しなくて本当に良かった💦


ここまで読んで下さり、ありがとうございます🙇。患者としてセカンド・オピニオンの重要性を訴えたい、当時けっこう必死だった私の熱弁?記事でした。


レーザー治療を目的としたサード・オピニオンと、この私の甲状腺結節の腎臓移植への影響について、また次へ続きます🙇🙇🙇。



今日の写真はコーヒーミル。8年ほど前に近隣のアンティーク(ガラクタ)市場で18ユーロで購入。飾りにと買ったはずが、その直後に長時間の停電があり、電動のコーヒーマシンが使えず、思いがけずお世話になったミル。あの時淹れたコーヒーは本当に美味しかった。
いつ電気供給が途絶えるかわからない昨今、こういうものを常備しておいた方がいいなと思った出来事でした。とはいえ、世界的停電なんかになったら、コーヒー豆さえ入手できなくなるので、はやり住んでいる場所に適した食物を日常的に摂取するのがいいのだろうと思う。近い将来のエネルギー供給のことが本気で心配になる今日この頃です。


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