スキップしてメイン コンテンツに移動

セカンド、サードオピニオンのすゝめ 【その1】

 先日、また病院から一通の手紙が私宛に届いた。
今度はなんだろう?と封を開けてみたら、

ああ、そうだった。私の甲状腺問題


あれは忘れもしない2018年3月のある日。
いつものように顔に化粧水をパシャパシャしながら鏡を覗くと、ふと首の左側だけ大きく膨らんでいるのが目についた。驚いて、手で触れてみると、平べったい右側と比較してまさに腫れている。どうして今まで気づかなかったのだろう?と思うほどの大きさ。

まず頭に浮かんだのが、ガン?? 甲状腺ガン???
怖くなって、ネット検索すると、やはりガンの可能性は否めない

その後すぐにかかりつけ医の予約、血液検査、甲状腺のエコグラフィーと組織検査までして、すぐに予約可能な甲状腺専門医をみつけて予約。この間、2週間たらず(フランスでは早い部類)。


この甲状腺専門医。あとから気づいたけれど、甲状腺外科医だった。すぐに手術をしたいはずである。会ってすぐに言われたのは、両方の甲状腺を切除する必要がある、と。美しい女医さんで、甲状腺の教材を使ってとても分かりやすく説明してくれるし、なんだか信頼できそう・・・と思ったのもつかの間。「フランスでは甲状腺なしで生きている女性はたくさんいるし、切除後はホルモン剤を毎日飲めば特に問題ないのよ。」「さて、いつ手術しましょうかあ」と予定表を取り出した。


だいぶ狼狽えてしまった私だったが、とりあえず今すぐ予定は立てられないので、緊急性を要する手術でないのであれば、次回また相談させて下さい、と言って診察室を後にした。


彼女の説明はこうである。
私の甲状腺が大きくなっているのは「甲状腺結節」という、言ってみれば良性腫瘍。いや、検査結果で悪性ではないと出ているけれど、摘出してみないことには悪性の可能性が拭えない。なので、念のため切除したほうが良い。

結節があるのは左側だけなのになぜ両方切除か? それは、片方だけ切除すると残った甲状腺が以前の2倍働くことになり、その結果として機能が低下→結局摘出することになるので、2回の手術を避けるために最初から両方切除した方が良い。


ゆっくり丁寧に説明してくれる美しい女医さんにこんな風に言われると、ああそうなのねー、と納得してしまった私だったけれど、甲状腺の機能自体には何の問題もないのに、その甲状腺を全て切除してしまって、その後一生ホルモン剤を摂取しながら生きていく、という事実に、なんだかかなり怯えてしまった。だって、調べてみると、ホルモンって精神状態と深く関与しているから、手術後にホルモン剤の適量が判明するまで、摂取量が多すぎたり少なすぎたりが原因で、鬱っぽくなったりすることもよくあるという。しかも適量が見つかったとしても、やはり体への影響は当然あり、精神不安定な状態が続くことも。そんなの絶対に嫌だ


その後、私の甲状腺結節に関する検索が始まった。
そもそも、結節って何?病気なの? フランスでは甲状腺なしで生きてる女性がたくさんいるって言ってたけど、本当なの? その人たちは元気に生活しているの? 片方の甲状腺だけでは本当に生きていけないの?? 


腫れている方の甲状腺を触るのが癖になってしまった頃、検索結果のあるタイトルに目が留まった。

  "J'ai sauvé ma thyroide"   (私は甲状腺を護った)
フランスの週刊誌パリマッチのサイトに掲載された2015年7月の記事。


私と同じ甲状腺結節を持つ作家・ジャーナリストの仏人女性が、やはり正常に機能している甲状腺を切除してホルモン剤を飲む生活が受け入れられず、何年もかけてあちこちへ相談した結果、手術なしで結節を縮小させる技術に出会った、という内容だった。


出会った多くの内分泌科医には”科学の進歩のお陰で甲状腺はなくても大丈夫だと考えるように勧められた” とある。 まさに私のケースと同じ。


そして彼女は ”私たちの歴史ある人体は、何が自分にとって良いことかを本能的に、ときに医師たちよりもよく知っていることがある。”と語っている。非常に共感できるではないか。

気功のLou先生もよく、体に耳を傾けると、体が何を必要としているかが理解できるのよ、と話していた。


次に続きます。



今日の写真は毎年秋の庭を彩どるFusain d'Europe初めて見たとき、なんて不思議な植物なんだろうとしょっちゅう観察していました。なぜなら、このピンク色の部分が非常に硬い。もう少しすると、なんとこのピンク色の丸いのがパカっと開いて、中からオレンジ色の実が現れます。すでに開いているものも写真に見えます。

英語ではEuropean Spindleと呼ぶらしいけれど、日本語の名前は見つからず。ヨーロッパ原種だからかな。

美しいバラに棘があるように、この美しい植物の実にも毒があって、口にすると死に至ることもあるらしい。

美しいものは鑑賞するだけにしておきましょう。

↓より多くの方に読んで頂けるよう、クリックして頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 病気ブログ ドナー・移植医療へ にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

コメント