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10月, 2021の投稿を表示しています

腎臓を小さくする方法があった

多発性嚢胞腎患者は、透析治療を開始してもなお嚢胞が発達し腎臓がますます大きくなるらしい。そうすると当然それに伴う痛みや日常生活への支障が深刻になってくる。この嚢胞が発達するということは、嚢胞に栄養を与える血管も発達している。医師はここに注目し、血管を塞ぎ、 嚢胞への血液循環を遮断することで嚢胞の成長をストップ させるという技術を確立した。 動脈塞栓術 という。 70年代に初めてこの有効性が Wallaceら によって報告されから、各地でその有効性の報告があった。日本で、この療法を多発性嚢胞腎患者に対する治療法として確立させたのは、 乳原 善文(うばら よしふみ)先生 。 仏語や英語の関連文献にはたいていUbara et al の文献が引用されている。 その後、この療法が腎移植目的のために適応された例はすでに多く、これまた英語、仏語、日本語でたくさんの情報が出てきた。 米国泌尿器科学会( The American Society of Nephorology )学会誌に2016年に掲載された鵜原医師を含む日本人医師らによる論文では、虎ノ門病院において2006年1月から2013年7月の期間、腎動脈塞栓術を受けた多発性嚢胞腎患者449例を対象とした研究結果が報告されている。 (以下、原文) Suitability of Patients with Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease for Renal Transcatheter Arterial Embolization 色々ざっくり読んだ上での私の結論は、この療法は移植に備える方法として ①一番低侵襲(体への負担が少ない)であり、何よりも②輸血のリスクが最も低い。 一方、デメリットは ①腎臓縮小まで6か月待つ必要があること、②この療法で腎機能自体が低下する可能性もあること(透析治療が前提) の2点。後者についてはまだよく理解できていないが、腎摘出のケースでも透析治療開始が必要なことを踏まえれば、その辺のリスクは同じかもしれない。 いずれにしても、 「輸血リスク」 だけを考えれば、この療法は夫に適応可能かどうか確認する価値は多いにあり。夫自身もこの方法にかなりの期待を抱いている。 以下、フランス国内の文献から、有用と思われる研究を1点記録しておきます。 ☆☆☆☆☆☆

お腹を切らずに腎臓摘出できるのか

医学の進歩により、手術方法もだいぶ進化している。 お腹を切ると、術後の傷が体に残り、その傷はけっこうな大きさだったりしますよね。 しかも、「切る」😱ので出血多量や合併症のリスクも大きい。 手術リスクを最小限にするため、 昨今の手術は体に数か所小さな穴を開けるのみ! その穴から筒状の器具を挿入し、それぞれにカメラや遠隔操作できる各種手術器具を装着。先生は モニターを見ながら これらの器具を操作して必要な切除作業や臓器の 摘出作業 などを行います。 この手法を 腹腔鏡下手術 と呼ぶらしいけれど、これだと開腹手術と比較して傷も痛みも小さいため、入院期間が短縮されるというメリットが。 考えれば考えるほど、 すごい技術の進歩‼‼‼ 以前の記事 主治医からの2回目の電話 に記載したとおり、すでに通常の2倍になっている夫の腎臓を移植前に摘出する必要が生じ、移植前の患者には脅威となる輸血のリスクが伴うことが Dr.O から指摘されました。 その後、輸血を避けるための方法はないのかと色々調べていましたが、見つけた結果の一つはまさにこの腹腔鏡下術を使った腎摘出。すでにこの手法で腎臓がんの治療などが行われているようですが、夫の病気である多発性嚢胞腎患者の腎臓もこの手法で摘出可能なのかどうか。可能であれば、この方法で輸血リスクを回避できるのではないか?!という 希望の光 を探っていました 。 今更だけど、インターネットって本当に便利。 まあ出てくる色んな情報。 ざっくりした調査の結果、理解できたことは、 腹腔鏡下腎摘出は可能 。むしろ推奨される手法であるが、医師の高い技術レベル(経験)が必要とされること。腎臓の大きさ次第では、腎臓を取り出すのに 結局お腹を少し切る必要がある こと。合併症発生率は開腹と比較して低い。輸血のリスクは開腹手術よりもリスクは低下するものの、腎臓のサイズを考えると、夫のケースだと 実はリスクはあまり変わらない気がする😕 。 彼の腎臓サイズを改めて確認してみようと思う。 もう一つの 希望の光 、腎臓を摘出せず大きくなった 腎臓を小さくする手法 も見つけたので、次の記事に記載します。 以下、有用そうな論文を調査記録として以下に記載しておきます。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 2013年5月にフラン

ピチピチな腎臓・・・か?

 以前読んだ 小説「パラサイト・イヴ」(著者:瀬名秀明) で、人間を支配しようと企む意思を持ったミトコンドリアが、腎臓だったか肝臓だったか、登場人物の ある臓器の新鮮さとその美しさを異常に褒めたたえる描写 があった。もうその本が手元にないので、どんな風に記述されていたか紹介できないけれど、ピンク色でピチピチとした活きの良い魚のように臓器のことを語る、その色っぽい描写がやけに印象に残っている。そして、私の臓器も、そんな風にピチピチしているのかしら?なんてお腹のあたりを摩ってみたりした。 この小説のことを思い出したのは、腎臓機能検査の詳細な検査結果が届いたとき。 すでに、 Dr.O から電話で私の腎臓機能は Très très bien と言われたけれど、実際に検査結果を見たら、たくさんある検査項目の数値全てが正常値内に収まっており、それを見たときまさに、自分の体内に ピンク色でピチピチの腎臓💖 を想像してしまったのでした。実際、腎臓がピンク色をしているかどうかはわからないけれど。 旅行から戻った私に届いていた Dr.O からの封書には、この腎臓検査の結果が一緒に入っており、これがかなりの枚数に渡るため、封筒が分厚くなっていたのでした。( 前の記事 からのつづき) 肝心の専門医への紹介状は、皮膚科なども含む全ての専門医へ行く必要があるかと想像していたら(夫側の検査がそうだったので)、主に循環器系と婦人科系の検査。思っていたよりも予約取りが楽そうだけど、それでも検査内容が24時間心電図とか、面倒そうなものもある。 全ての検査結果は6か月のみ有効なので、 Dr.O にすぐに検査しないように言われたけれど、乳がん検診と子宮がん検診だけはそれぞれ2年、3年間有効なので、これはすぐにしても大丈夫よとのこと。できることはさっさとしておこうと思い、すぐに検査予約を入れました。 なんとなく更年期障害?と思われる症状も時々あるし、腎臓のように、私の子宮はピチピチよ!という結果にはならないだろうなあ。まあ腎臓移植に係るこれら全ての検査は、がん細胞の有無を確認することなので、臓器がそんなにピチピチじゃなくてもOK。というか、年齢を経ても臓器のピチピチを保つのってきっと不可能😕 実際に腎臓移植ができた暁には、ぜひ移植前の私の腎臓を見てみたいものです。そして、執刀医に、 ピンク色したピチピ